ゲームレビュー
◆◆◆ オーディンスフィア ◆◆◆
プレイ状況:クリア
シナリオ
◆ 本によっては話が飛び飛びに ◆
主人公達5人で1つの物語になっていて、本は主人公1人をメインに進行していくので、1冊の本だけを見ると話が飛び飛びでちょっともやっとする。
また、5人それぞれの個別シナリオをこなさないと終焉に進めないので、お気に入りの1人だけで遊びたい、という事ができない問題はある。
他主人公との対決などで必然的に負け戦になるイベントは、文章のみで進行したりと、仕方はないものの少し「?」と考えさせられる事も多い。
一方で、グウェンドリンが眠っている間に、ベルベットが会いに来たり、オニキスの元に連れて行かれたり、後になって繋がっている事に気づける展開は面白い。
◆ 終焉で ◆
叙述詩通り正確に辿っていくのが正しいが、縁のある相手と戦ってみると固有イベントがある。
ただ、どんなに頑張って倒しても、結果的にシナリオ上は倒されてしまう扱いなのが切ない。正しい終焉のヒントは見ていてちょっと分かりにくかった。
キャラクター
 主人公陣の恋愛模様は、見ていて結構面白かったりする。
◆ グウェンドリン ◆
 ドレス姿の彼女は可愛いですなあ。オズワルドが一目ぼれなのも無理はない。オニキスとくっ付いてたらどうなってたのかなーとか、色々想像が尽きないお人。
 オズワルドとのやりとりから乙女な雰囲気はあるものの、一方でオーダインすら敵わなかったメルセデスに単身で突っ込んだりと、なかなか極端。
 攻撃に癖があり、滑空攻撃も落下地点を考えないと明後日の方へ飛んでいってしまったりする。シャドウアレイは結構使える。
◆ コルネリウス ◆
 人間時はチャラく見えたのに、プーカになると勇ましく見えるのって、不思議。ベルベットは彼のどんな所に惹かれたのかなあ。
 そしてプーカの彼をふにふにもふもふしたいと思うのは私だけではないと信じたい。
 攻撃スタイルはオーソドックスで使いやすい。回転切りは結局使いこなせなかったけど。
◆ メルセデス ◆
 イングヴェイの事を気になりだしたのって、多分呪い解いてからだよね。淡い恋心的な恋愛模様に胸きゅん。
 一人でシューティングできるのがちょっと楽しい。エリアでランクSたたき出すのは一番楽かもしれない。
 ただ、火力が致命的に足りなくて終焉でレヴァンタンに突っ込んでダメージ0で泣きを見たり、2段ジャンプが出来ないからガロンの上の頭をなかなか壊せなかったり、苦労させられた。楽だったのはオニキスだけだったからなー。

◆ オズワルド ◆
 エンデルフィア以降の芝居がかった話し方は血筋なんだろうか。王族の嗜みなのか。それとも、メルヴィンの教育の賜物なのか。
 当初は意外だったけど、最後の方のグウェンドリンとのやりとりは、案外お似合いの夫婦なのかなーと思わさざるをえない感じに。愛って偉大だ。
 バーサクは強力だけど、アンリミテッドパワーなしだと殆ど持たない上、使ってもあんまり長く持たなかったりする。なんだかんだ、普通に殴ってても十分強い。

◆ ベルベット ◆
 ジャンプしたり特殊移動する度におみ足に目が行ってしまう、困る。手で押さえる位なら着るなと突っ込むべきか。あの格好で森にひっそり暮らしてるとか、一体どういう事なんだろう。虫に食われないのかな。
 バレンタイン王は、「その姿で〜」と言っていたけど、まさか母上様も、ああいう格好をしてたんだろうか…謎。
 ホーミングと特殊移動があるから、距離を置いた安全な戦い方ができるのが強み。でも、囲まれても周囲をまとめて攻撃できたりするので、多段ヒットするとちょっと嬉しい。
★ オーダイン ★
 子供達を散々な目に合わせたり、自分は自分で幽霊に乗っ取られたり、駄目な所だけがやたらと目に付く王様。結局活躍したのはエルファリアと対峙した時位かな。
 オーダインの今際の際に出てきたグリゼルダは、何を思ったのかなー。父を想って出てきた感じには見えなかったけど…。
★ オニキス ★
 グウェンドリンに結構直球で思いの丈を打ち明けているように見えたけど、全く届いていないのが悲しいお人。
 オズワルドがいなければ、グウェンドリンが心を開くのはこの人だったかもしれないのにな。
 終焉時にグウェンドリンにセクハラ発言してて吹いてしまった。ああうん、そういう人だったんだなと。
★ イングヴェイ ★
 蛙姿のぶちゅっとしたポーズが何気に好き。人間時はすかした感じで何だかな。しかし、頭の被り物と腹を出すのはバレンタインの正装なんだろうか。
 終焉後、ユグドラシルの根元にリブラムが光ってたし、きっと側にイングヴェイも眠ってるんだろうなあと勝手に想像してしまった。
★ ブロム ★
 結構なお歳のように見えるけど、ボルケネルンに忍び込んだり、リングフォールドからオズワルドのいる城まで移動したり、ホルン山を登ったりとなかなかの健脚。
 ある意味主人公達に対する最大の功労者。つい目が行ってしまうのは何でだろうなあ。
システム
◆ 戦闘 ◆
サイファースキルが揃っておらず、HPが低く、アイテムも多く持てない最序盤が一番大変。後半になってプーカの地下街へ行けるようになれば、攻略がある程度楽になる。
ただ、カフェやキッチンで使えるレシピが、ストーリーの進行に応じて増えるので、グウェンドリンやコルネリウスは周回しないとどうしても強化がしづらい。
ガチンコバトルのテクニックを磨くというよりは、高ランクの為に自然とノーダメージ戦闘を目指す事になるので、そこがある意味RPGっぽいのかもしれない。
各人使い勝手がまるで違うので、終焉までにはそれぞれの章でキャラを使い慣らしておく必要はどうしても出てくる。
POWゲージが結構曲者だけど、これは慣れるしかない。
◆ お金 ◆
時々敵が落とす硬貨を拾ったり、アイテムを売ったりと、王族だらけの主人公達なのに金策には大分悩まされる。
もっとも、金銭に困るのは序盤くらいなので、かばんが一揃えできれば後は貴重な金貨集めがメインになる。
◆ やりこみ ◆
ドーピング位かな。プーカの地下街へ行けていればどこまでも強くなれる。
レアアイテムの収集もありだけど…役に立つかと言うと、そうでもないというか…。
難易度の変更はできるので、戦闘が楽になったら1ランク上げてみるのも面白いかもしれない。
グラフィック&ムービー
◆ 処理落ちが玉に瑕 ◆
敵が多ければ多いほど処理落ちが激しくなるのが困る。エンデルフィアでの戦闘は、色んな意味でなかなか凶悪。
◆ 2Dならではの美麗さ ◆
西洋の御伽噺を見ているような美麗な描写を堪能できる。 NPCの動きも結構細かくて面白い。
操作時も自動進行のムービーも同じ仕様で動くので、ギャップを感じる事もない。
◆ ストーリーアーカイブ ◆
一度こなしたイベントを見る事ができる機能。物語のおさらいができるので、見直してみると新しい発見ができるかもしれない。
見ていないイベントは非表示になってるので、終焉の組み合わせで行き詰ってもこれで網羅は可能。
ある画面で操作しないで数十秒放置、なんていうものもあるので、全部見るのはちょっと大変かもしれない。
音楽
全体的にクラシックっぽいというか。場所場所でメリハリが利いた曲が流れる。ボス戦の曲の勇ましさは結構好き。
一際目を引くのはメインテーマかな。透き通る声音はなかなか聴いていて飽きない。
総評
難易度の設定もあるので特定のイベントでの処理落ちさえ気にならなければ戦闘で困る事はない。
攻略本はなくても割と何とかなるはずだけど、マジックレシピやプーカのメニューは種類が多いのでメモは取っておいた方がいいかもしれない。
御伽噺のような話が好きなら、買ってみる価値は十分ある。楽劇などをモチーフにしている為か、話自体はかなり王道な部類に入る。