ゲームレビュー
◆◆◆ 聖剣伝説 Friends of MANA ◆◆◆
プレイ状況:全配信イベントクリア(配信終了)
シナリオ
◆ 楽師がHappyをもたらす夢世界 ◆
ペットを連れて旅をしていた楽師が、立ち寄った村を拠点にミ・ディールを旅して、世界にHappyをもたらすお話。
村や町にいる困っている人達の手助けをして行くと、マナの樹が少しずつ成長していく。成長に伴い楽師としての実力も上がり、行ける場所、手に入る物が増えていく。
「聖剣伝説LEGEND OF MANA」をベースにしている為、縁のあるキャラが多く、彼らにまつわるエピソードを楽しめる形になっている。続編とも、過去話とも、パロディとも言える、そんなお話。
キャラクター
「聖剣伝説LEGEND OF MANA」にいるキャラは全て使いまわしのドット絵。シャルロットは…どうかな。多分作りなおしてると思うけど。
楽師達は少年・少女・女性・男性と選べる他、カラー選択ができる。
◆ 楽師 ◆
個人的には少年楽師が好きだけど、プレイヤーは女性楽師を選択。イラストを描く上でも、二人は比較的書きやすかったなぁ。
シナリオ上では、珍妙なタイミングで演奏したり、ちょっと不思議ちゃんなイメージも。選択肢が楽師で共通なので、女性でも男前な選択をする事も。

◆ リーン ◆
喋らない楽師の代わりの、お喋り&賑やか担当。丁寧な物腰かと思いきや啖呵切ったりと、色んな局面で盛り上げてくれる…はず。
謎の少女マナの事について何も知らなかったり、聖域の事をあまり話さないあたり、聖域におけるリーンの存在がどんなものだったのか気になる所。
◆ ペット ◆
「聖剣伝説LEGEND OF MANA」をベースに。追加で、配合時に生まれるペットの配色変更ができる果実も存在し、よりカラフルになった。

◆ 村人達 ◆
村長・ドゥエル・ジェニファー・ベルボの4人。
村長は名前はないけど、多分歳行った「聖剣伝説DS CHILDREN of MANA」のワンダラー・ニキータのはず。
ジェニファーはシナリオの都合上若返っていて、おばさん口調じゃなくなっている。
ドゥエルは栽培の仕事上、剣を鍬に持ち替えている。
ベルボのみ、「聖剣伝説DS CHILDREN of MANA」のボン3兄弟の色違いで、一応村人唯一の初出キャラ。ボン3兄弟は彼の従兄弟らしい。

◆ アリア ◆
楽師達に度々アドバイスをくれる良き先輩楽師。マラカスとかドラムとか、おおよそ主旋律には向かない楽器を使って旅をしている。
楽師としては有能なんだろうけど、ニキータにカモ扱いされたり、落し物したりとドジっ子特性持ち。ペットのピンクのラビ「フローラ」がそんなご主人を支えているのかも。
◆ サボテンくん&サボテンちゃん ◆
途中から出てきたキャラだけど、異様な存在感を放った二人(二株?)。
サボテンくんは言うまでもないけど、サボテンちゃんをこのゲームで使い捨てるには惜しいなぁ。

◆ マナ ◆
結局正体は謎のまま。クローディアと対になる存在なのかと思ったものの、シナリオの様子を見る限りそうでもなさそう。
まぁ夢世界なんだからこういうキャラもいるさ、って事で。

◆ 魔剣カルマ ◆
ドジっ子だよね。クローディアからドジっ子特性が抜け落ちて生まれたような、そんな感じがしないでもない。
リーンとの漫才…もとい掛け合いは好きでした。聖剣になれる日までがんばれ。
◆ クローディア ◆
正体に驚いた人は多かったんじゃないかな。でも、正体が分かった後の展開が全く語られず、シナリオ後もさも当然のように戦闘が出来る為、びっくり半分がっくり半分のキャラに。
絵的に好きな人。でもあの仮面は描ける気がしない。あの造り、どうなってんだろう?
システム
遊んでて華な時って、プレイヤーが成長して話が進んでいく時期なんだろうなあと身を持って体験した。伝説の楽師は、忍耐力的に伝説なのかと思う事も多かった。
携帯アプリという特性上、頻繁にアプリのバージョンアップも行われ、改良改悪が積み重ねられてきた。
◆ フレンド ◆
アプリのタイトルからして、多分ゲームの根幹に位置するにも関わらず、交流の元であったり、トラブルの元であったり、何かとお騒がせな機能。
手紙を送る事ができても制限が多かったりで使いにくかった。フレンド間の会話で制限があるってどういう事なのさ。とまぁ、結局ウェブ上の掲示板やチャットに頼る人続出。
これが原因で情報サイトが潤ったのもまた事実なんだけど。
◆ クエスト ◆
Happyを手に入れる為とはいえ、その為にクエストが発生しやすいエリアランキングの下位を望むというのはいかがなものなのか、ちょっと考えないでもない。
でも結局、幸福の中得られる幸せよりも、不幸の中得られる幸せの方が大きいんじゃね?と考えさせられる、ある意味世知辛い機能。
◆ 戦闘 ◆
通常戦闘はペットのレベル+α、イベント戦闘はレベル固定。属性による強弱が割と顕著で、装備品ナシでの戦闘だと属性の相性によっては分が悪い可能性がある。
レベルの上限が255まである為、育成の新参者と熟練者の差が大きく、レベル固定のイベント戦闘では「勝てない」「弱すぎる」と意見が真っ二つに分かれる事も。
…多分、開発陣はイベント戦闘のレベル調整にえらい苦労したんじゃないかと。
◆ 探索 ◆
当初は上級スキルが発動すると、入手アイテムが固定してしまうなどの問題があった。追加で修正はされたものの、これで不便した人も多かったと思う。
◆ 冒険 ◆
序盤レベルの低いうちは探索だけでカンストしてしまうし、スキル取得の確率は極端に低い、コストも結構かかるしと、潤沢な資金が溜まるまでは疎遠になりがちな機能。
バージョンアップで確率が上がったのか、スキル取得者が増えたように見受けた。
◆ 配合 ◆
配合の法則には相当苦労した記憶がある。特殊系は扱いが難しかった。結局配合の結果はランダムだったのかな。
配合によるスキル取得条件が甘かった為、序盤ほどなくして上級スキル取得ペットが多数出現。やはりバージョンアップによって、スキル取得が厳しくなった。
グラフィック&ムービー
◆ マップ絵 ◆
「聖剣伝説LEGEND OF MANA」のマップの使いまわし箇所が多め。3で登場した「ランプの森」、新規で作られた「からくり王国」などもあり、使いまわしてる部分との違和感はあまりない。

◆ ムービー ◆
容量の問題なのか、大砲屋の画面、聖域出現時の画面など、バージョンアップで消えた場面が散見。携帯アプリの限界を垣間見た。
音楽
「聖剣伝説LEGEND OF MANA」をベースにしてるものの、戦闘曲がハンパな部分でリピートしたり、音数が減らされたり、携帯らしい形で変更がなされている。
楽師達の奏でる曲は「ホームタウン ドミナ」だけど、楽器ごとに主旋律と副旋律を担当している為、楽師次第では物悲しい曲に仕上がってる事も。
楽師を集めるパーティーの時くらいは、全楽器揃えたバージョンを用意してもらいたかったかも。ちょっと残念。
総評
◆ バグ・不具合 ◆
公開当初はアクセス過多で殆ど通信ができず、深夜に遊ぶ事も多かった。
バザーを利用したアイテムの無限増殖は2種類確認され、1つは解消されたものの、他1つの解消はされず、結局プレイヤーの判断で使用を自粛する方向に。
不具合を利用した事で閉鎖に追い込まれた携帯サイトも多く見受けた。
…どんな事にも言えるけど、不正って物理的には豊かになるものの、精神的には致死毒に匹敵するよね。

◆ 衰退の一端 ◆
情報サイト側で見た要因は、「通信の不具合」「シナリオの配信停滞」「プレイヤーごとの成長格差」「バグの対処」「要望機能の対処」「フレンド間のいざこざ」などなど。
無論、何事にも限界がある。通信上の不具合は即時の対処が難しいし、始めたタイミングの異なるプレイヤーごと差が出るのは仕方がない、フレンド間のいざこざはそもそも管理者側の出る問題じゃない。
でもせめてシナリオくらいは一区切りつけなさいな。書き始めた段階でオチ書いてないとかさすがにないだろ?と信じたい。
…改めてみると非難ばかりが出てしまってるが、携帯アプリという制限された中で、様々な機能やシステムが盛り込まれたゲームだった。
老若男女問わず引き込んだ魅力を鑑みても、良作と言っても過言ではない。
ゆえに、話の流れが中途半端に終わってしまったのが残念でならない所。加えて、引き際を見誤ってしまった感が無きにしもあらず、という感じ。