ゲームレビュー
◆◆◆ 悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲 ◆◆◆
シナリオ
◆ 続編ではあるもののプレイは可能 ◆
前作「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」のFINAL STAGE『血の輪廻』から始まるので、遊ぶ事に支障はない。
実際、全く気にならなかったし、「血の輪廻」を購入となるとPSPで別途購入しないとならないし。
いきなりのFINAL STAGEだけど、ここでゲームオーバーにはならないので安心だし。ただ、前作キャラの事位は、ネットで知っておいた方が楽しさは増す、はず。

◆ エンディングは複数 ◆
アイテムが必要だったりマップ踏破率が関係したりでエンディングが複数存在する。アイテムの方は逆さ城侵入の条件でもあるので、色々試して遊んでみると面白い。
キャラクター
◆ アルカード ◆
主人公。ドラキュラと人間の女性の間に生まれたハーフさん。何故か父親にも母親(の偽者)にも、偽名のアルカードと呼ばれる、ちょっと不憫なお方。
魔導器の力を借りているとはいえ、コウモリや狼や霧に姿を変えたり、返り血で体力を回復させたり、本当に人間の部分は外見と心だとなんじゃないかと疑ってしまう位の超人振り。
プレイヤーの分身とはいえ、懺悔室で懺悔したり、懺悔されたり、椅子に座って居眠りしたり、アックスアーマーになりきってみたり、ハイジャンプで爺を喜ばせたりと、なかなかにお茶目。
声優さんの自由会話によると、見かけ18歳、らしい。じゅうはち…18歳?!煤i◎△◎;)
★ マリア・ラーネッド ★
行く先々でアルカードの出会うクールビューティー。
霧にならないと通行できない通路越えた先にいたり、魔導器使わないと進めない所の先で待ち伏せてたり、魔導器を借りないといけないアルカードさんに比べれば、彼女は超人以上かもしれない。
イベントのそこかしこで、アルカードさんとくっ付きそうな、くっ付かなさそうな雰囲気になるんだけど…どうかな。ある意味お似合いのカップルっぽいけど。
マリア嬢でゲームプレイしてみたかったものの、アーカイブスではそれは叶わず。残念。

★ リヒター・ベルモンド ★
髪型や服装でドット絵と公式絵が違うのは…多分突っ込んじゃいけないんだろうな。FINAL STAGE 『血の輪廻』はなければ、ドット絵の変更もアリだったのかもしれないけど。
プレイヤーになってみると、椅子があっても座らないし、懺悔室で懺悔もしないし、望遠鏡も覗かない。…ぐう、面白みの欠片のないお方。
FINAL STAGE 『血の輪廻』の熱弁はとても耳に痛かったです。

★ ドラキュラ伯爵 ★
奥さんの死に目に会えなかったり、ラスボスなのにそれほど強くなかったり、滅んでは復活を繰り返しで、色んな意味で悲劇の人。
声がいいですなあ。イベント上、最初と最後しか出てこないのが勿体無い。もっと親子の会話が欲しかったなあ。
システム
懺悔室で懺悔したり、椅子に座ってると居眠りしたり、バードウォッチングできたり、随所に小ネタが散りばめられていて、なかなか見ていて飽きないのが良い感じ。
◆ 難易度 ◆
アクションゲームに不得手でも、装備品である程度補えるのでわりとさくさく進める。Lv上げを意識する必要はあんまりない。
必殺技「ソウルスチール」は使いこなせると回復に困らなくて便利。魔導器で補える所も多いので、これ無理、と感じる所は少ないはず。
一方、リヒタープレイだと、攻撃手段が限られている上、アッパー(アルカードで言うところのハイジャンプ)がどうしても必要になってくるので、コマンド入力が苦手だと苦労するかもしれない。
◆ やりこみ ◆
マップ埋めがエンディングに影響したり、レアアイテム収集、爺をハイジャンプで××回突き上げてアイテム入手、プレイヤー名を特定の名前にする事でプレイスタイルを変えたりと、なかなか多め。
ラスボスよりも強い(あんまり隠れていない)隠しボスに、対策なしで挑戦してみるのも面白いかもしれない。
◆ 使い魔 ◆
Lv上げれば、ラスボスすら倒してしまう可能性のある使い魔。攻撃指定はできないけど、壁に遮られて手の届かない所の敵も勝手に攻撃してくれるので便利。
戦闘の性能もさる事ながら、各々のアクションも凝っている。鼻悪魔のぽちっとなとか、半妖精の歌うのとか、剣魔の必殺技とか。
グラフィック&ムービー
◆ ムービーは少なめ ◆
ムービーと呼べる場所は少なく、エンディングのムービーも共通なので、PSの世代で言っても若干物足りない。その分、アイテムや音楽、小ネタに容量を割いているんだと思われる。
ドット絵の方は、割と動作が事細かで、リボンがひらひらとか、アルカードさんの残像とか、見ていて飽きない。
音楽
◆ そこかしこで懐かしい雰囲気 ◆
悪魔城ゆえか、クラシックっぽい雰囲気の曲は多いけど、「ドラキュラ城」とか「死の詩曲」もなかなか。懐かしい雰囲気を備えてるのは何故なんだろう。世相的なもの?
しかし、何故爺の部屋の曲だけサントラに載ってないんだろう?某RPGの戦闘曲に似てるのは、多分関係ないはずだけど…。
個人的には「神々たちのレクイエム」「パール舞踏曲」がお気に入り、わんさか敵が湧いてこなければ、ずっと聴いてられるんだけどな。
総評
◆ 初心者が手探りで遊んでも大丈夫なゲーム ◆
救済措置がそこかしこにあるので、ボタン操作が苦手でも割と何とかなるゲーム。
一方、熟練者にはヌルいかもしれないけど、やりこみプレイも縛りプレイする要素はあるので、楽しむ余地は十分ある。
エンディング後も、自由会話やリヒタープレイ等があるので、クリアしたあとお蔵入りにするのは勿体無い。