ゲームレビュー
◆◆◆ ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ ◆◆◆
プレイ状況:ストーリークリア
シナリオ
◆ 町を再建しながら魔物に対抗していく ◆
荒廃しきった町を拠点として、町を修復しつつ、町の人たちのお願いを聞いたり、襲来する竜王軍を退けたりして、その土地の問題を解決していくのが目的になる。
話自体は一本道で、サブイベントが時折挟む程度。レシピも、ストーリーの進行によって覚えていく。
◆ 勇者に繋がる夢 ◆
ベッドなどで眠ると、ドラクエ1の勇者が体験したと思われる情景が夢として見られる事がある。
ストーリーに直接関係のあるイベントではないが、ドラクエ1をやった事がある人なら色々考えさせられるものが多い。
最後には分かる事だけど、主人公と夢の勇者の繋がりを推考するのも楽しいかも。
キャラクター
◆ 主人公 ◆
何故か色んな人に容姿をけちょんけちょんに言われる主人公。
人の話を聞かなかったり、途中で居眠りしたり、無言ながらなかなか自己主張が激しい。
まあ、開始当初のプレイヤーは「話よりもゲームを満喫したい!」って言うのが本音だろうから、ある意味プレイヤー寄りの考え方、と言えるかもしれない。
モンスターをひき殺すアイテムを閃いたり、ネーミングセンスがひどかったりとなかなか突飛な才能がある模様。
髪の色・肌の色・性別は、各章メニュー画面でいつでも変更可能。
◆ 精霊ルビス ◆
今回主人公を目覚めさせた人…じゃなくて精霊さん。
何かと話を聞かない主人公に、根気よく接してくれる慈愛を持っている。
…かと思いきや、主人公に使命を全うさせるだけ力しか与えておらず、考えようによっては使い捨てのコマのような扱いをするような一面も持っている。
もっとも、最後の最後には力を貸してはくれるんだけど。非情になりきれないあたり、なにかと人間臭いお方。
◆ 竜王 ◆
本作のラスボス。この状況を作った張本人。
世界の調和を第一に考えている…という割には、結構あちこちが荒廃しきっているので、調和とは何なのか考えさせられる御仁。
まぁ主人公が、大砲や超げきとつマシンみたいなトンデモアイテムを閃いちゃったりしているので、普通に文明が進んでいたら竜王軍を脅かしかねない状況にはなっていただろうけど。
◆ やみのせんし ◆
本人も、まさかこんな結果になるとは思わなかっただろうねえ。
主人公に殴り倒されて退散したけど、あれから彼がどうなったのか気になるところ。
あの格好は元からああだったのかな。それとも竜王のセンスなんだろうか。
あの体型だと鎧が収まりきらないような気もするけど。先祖返りしてるのが切ない…。
システム
◆ レシピ ◆
殆どのアイテムはストーリー中にレシピを閃き、作業台で作る事になる。
作業台も、炉と金床、仕立て台、マシンメーカーなど様々。
また章ごとに入手できる素材・できない素材がある為、章ごとにレシピが異なる、という事もある。
素材を拾う事でレシピを閃く事もあるので、色んなアイテムを拾い集めるのも楽しい。
◆ 大倉庫 ◆
設置しておくと、持ちきれないアイテムを大倉庫に自動で移動できるアイテム。
メニューから、大倉庫に収納しているアイテムを手元に移動させる事もできる。
ゲームを円滑に進める為の必須アイテムだが、本編ではアイテム128種+装備64個、知られざる島ではアイテム192個+装備64個までしか収納できない為、本格的に建築を行う場合には若干物足りないかもしれない。
◆ NPC ◆
町に訪れる人たちの事。

ストーリーモードでは、探索中に主人公が連れてくる場合と、ストーリーの進行で自動的に町に来る場合がある。
彼らから話を聞いてその願いを叶えて行く事でストーリーが進行していく。
NPCによっては、竜王軍とのバトルに参加してもらう事ができる。また拠点の施設によって、NPCの強さも変わってくる。3章では、拠点外に連れ出して探索中の戦闘に参加してもらう事も可能。
鼻息が荒い居丈高な町長の子孫とか、何も言ってないのにおかしな反応をする爺&孫、情に厚いがどこかソッチ系なあらくれなど、だいぶ個性的な面々ばかり。
1や3に縁のあるNPCもいるので、シリーズを遊んだ人から見てもにやりとするかもしれない。

知られざる島では、定期的にNPCが訪れる。
一定日数滞在したあと去って行ってしまうが、お気に入りとして登録しておけばずっと滞在させておく事もできる。
人間の他、モンスターもNPCとして登場する。
拠点外の連れ出しは可能だが、バトル島へは行く事はできない。
名前はなく、話しかけても仲間になるかどうかの選択肢が出るだけで、会話らしい会話がないのがちょっと寂しい。
◆ チャレンジ ◆
各章に設定されている目標で、これをクリアすると、知られざる島で作れるレシピが増えるというもの。
特定の敵を倒す、特定の建築物を完成させる、キャンプレベルを最大にする、などがある。
一番厄介なのが特定日数以内に章をクリアするもの。初見で挑戦するにしては日数がシビアな為、一度章をクリアして、ある程度計画を練って再挑戦した方が無難。
◆ 知られざる島(フリービルドモード) ◆
1章をクリアすると解放されるモード。ストーリーに一切関係はなく、自由に探索・建築ができる。
拠点と、拠点の旗から行けるバトル島、拠点に点在している旅のとびらから行ける島が4箇所ある。
バトル島は専用アイテムを使用する事で、竜王軍とバトルができる。モンスターが落とす特定のアイテムを収集したい時などに利用できる。
旅のとびらの先の島は、各章クリアする度に解放される。それぞれ各章で入手可能な素材が手に入る上に、島自体の再生成が出来るので、ストーリーモードのように素材が枯渇する心配はない。
また、各章のチャレンジをクリアすると、作れるようになるアイテムが増えるので、ストーリーモードを一通り遊んだ後に遊ぶのをオススメする。
グラフィック&ムービー
◆ ドラクエの雰囲気を満喫できる ◆
建材や家具などのアイテムは、ドラクエの世界観そのまま。
各章の拠点はドラクエ1の城や町をベースにしているので、当時のマップを再現する事も可能になっている。
一方で、3章では突き抜けて近代的なものが発明できたりしているが、これはご愛嬌、かもしれない。まあドラクエ1の頃から数百年は経過してるらしいし。
音楽
◆ 懐かしい曲ばかり ◆
DQ1〜4までの曲をオーケストラバージョンで楽しめる。
各章のボス戦で流れる「戦闘〜生か死か〜(ドラクエ4)」はボス戦にぴったりだし、終章の途中から流れる「冒険の旅(ドラクエ3)」はまさに最終決戦っぽくて素敵。
なつかしの竪琴を設置して使用すると、ファミコン仕様の音源に切り替え可能なので、ファミコン世代にも嬉しい限り。
総評
◆ ストーリーも建築も楽しめる人向け ◆
初っ端から建築のみを楽しみたい人からすれば、ストーリーをこなさないとレシピを覚えないこのゲームは不向きかもしれない。
ドラクエの世界観が好きで、建築も挑戦してみたい、という人向けのゲーム、と言える。
あと、ドラクエ1のあの人がどうなったのか知りたい人も、やってみる価値はあるかもしれない。