ゲームレビュー
◆◆◆ ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城 ◆◆◆
プレイ状況:シナリオクリア
シナリオ
◆ 一本道で王道 ◆
主人公の選択で若干会話が変動する程度で、基本内容は一本道。
仲間内から、勇気とか絆とかの言葉が多いので、ちょっと古臭い印象は否めないところ。
基本、敵を全滅させたら次の町へ、という流れなので、シナリオ自体はそれほど長くはない。
キャラクター
キャラが多いので、オリジナルのキャラのみ。
声優陣に関しては、違和感を覚えるようなキャラはいなかったな。
◆ 男主人公(アクト) ◆
何かと作戦を考えたがる人って、主人公としては珍しいキャラじゃないかな。シナリオ冒頭の長いヤツは確かにうわ、って思ったからな。一応理由はあるけど、メインシナリオ上で語られる訳じゃないから、見落とす可能性は…あんまりないと思うけど。
恋愛ごとに相当鈍いようだけど、アリーナとクリフトの間柄を、メーアちゃんと自分に置き換えてる辺り、本質部分では分かっているっぽい。
攻撃スタイルはオーソドックスで、火力は高め。どんな局面でも対応できる。
◆ 女主人公(メーア) ◆
猪突猛進…というには弱いけど、やや向こう見ずな所はアリーナに近いのか。
アクト君にそれなりな感情は持ってるようだけど、ああいうキャラだからやきもきしていそう。
しかし、アクト君とメーアちゃんをくっつけたがる周りの雰囲気は、少々強引でなんだかもやもやする。
攻撃スタイルはアクト君とほぼ同じ。火力は低い代わりに、氷結効果があるから敵の行動を制限できる強みがある。
◆ ディルク ◆
武闘派の王様。豪快という言葉が本当に良く似合う人。っていうか、王妃様とか子供とかいないんだろうか。
幼少期から主人公ズの面倒を見ているようで、本当の子供のように思ってるフシがあってほっこりする。
攻撃は大振りだけど威力が高く、近接・中距離程度なら対応できる。広範囲に攻撃できる「国王の怒り」は乱戦時に、テンションを上げられる「気合の宝玉」はハイテンションを多用したい場合に重宝する。
◆ ジュリエッタ ◆
最初のうちはお色気な雰囲気を纏ったお姉さんだったけど、後半になると落ち着いた感じになっちゃったな。アクの強いキャラたちの中では、個性がちょっと霞んで見えてしまうのが残念。彼女に想いを寄せてる乗船員がいるけど…この人も、恋愛ごとには疎そうだな。
遠距離メインのキャラで、投げたブーメランを受けた時にボタンを押すと追加行動が取れたりするので、ちょっとテクニックがいる。状態異常を治す「浄化の雨」を持っているから、厄介な攻撃をしてくる敵が多い場合はありがたい。
◆ ホミロン ◆
マスコットキャラ。操作キャラのHPが減っていると回復呪文をかけてくれる事もあって、主人公達を影で支えてくれる。そしてかわいい。
怖くなって逃げたりもするけど、その逃げた先がより強い敵のいる海底神殿だったり、防衛対象になってもなかなか倒れなかったりするので、案外強い子なのかもしれない。
シナリオ上、結構見せ場が多くてかなり優遇されている。
◆ ヘルムード ◆
今回悪さを働く人。
魔物を凶暴化させて主人公達を妨害したり、光の塔を破壊したりとやりたい放題をしているけど、一方で闇の一族を全滅させたり、あんまり関係なさそうなテリーに喧嘩吹っかけてたりと、謎めいた言動が多い。
おまけに次元島で時間稼ぎの一芝居もしてくれたし。元々ああいう人だったのか、ラスボスに操られてああなったのか…そこが解き明かされる事はあるのかな。
システム
◆ クエスト ◆
バトシエで受けられる依頼の事。素材集め、モンスター討伐、町や人の防衛あたりがある。
防衛はルーラを駆使してうまく立ち回る必要もあったりするので、クリアは苦労する事も。
失敗のペナルティはなく、報酬の中には強力な武具が手に入るものもあるから、やっておいて損はない。
◆ スキル ◆
レベルアップで手に入ったスキルポイントを使用して、キャラに技を覚えさせたり、技をより強化したり、ステータスを強化したりできる。
これで強化してあげないと、ほぼ通常攻撃しか出来ないので、仲間になったらまず技の習得はしてあげる必要がある…が、中には一部の技を習得しない方が良いキャラもいるらしい。
アクセサリーの装備と合わせると、凄まじい火力を出すキャラクターもいるので、吟味は大切。
◆ 錬金 ◆
ゲームの肝とも言えるシステム。これで作ったアクセサリーで、難易度が変わると言っても過言ではない。
同じアクセサリーを掛け合わせて、最大3つまで付加効果を追加できるので、より強力なアクセサリーを作ると自然と時間が潰れがち。でもやってみる価値はある。
◆ ぱふぱふ ◆
酒場にいるキャラに話しかけると、一定確率で発生するイベント。
キャラクターごと内容が異なるので、積極的に話しかけてみると面白いかもしれない。
グラフィック&ムービー
◆ マップは奥行きのある作り ◆
思わず細部まで眺めたくなるような綺麗なつくりで、あちこちにギミックも設えてあったりするので、ただ敵を倒して終わりにするのはもったいない。
PS3だとロードにそこそこ時間はかかるが、PS4は時間はかからないらしい。もっともPS3であっても、ロードはバトシエ・マップ間かムービー発生時位なので、マップ内を移動する時に読み込みが発生するような事はない。
◆ 戦闘中の会話 ◆
マップ攻略時にちょこちょこ会話が入るので、キャラクター同士の小話が聞ける。字幕はついているけど、ちゃんと声付きで話してくれるので、戦闘の邪魔にはならない。
女性陣の恋話とか、テリーとヤンガスのお宝談義とか、意外な共通点から出てくる会話は必見かも。
◆ ムービー ◆
マップ移動のキャラと殆ど変わらないので、違和感は全くない。
空艦バトシエでイベントムービーを観賞できるので、思い出に浸る事も可能。
音楽
◆ 歴代ドラクエの楽曲が楽しめる ◆
どこの場面も歴代ドラクエの曲が流れているので、懐かしさと同時にわくわくする気持ちになれる。
曲と情景もマッチしているので、違和感も全くない。
空艦バトシエで流れるBGMは酒場で変更も可能だけど、2曲だけしかないのでちょっと残念。
総評
◆ 物足りないながらもまとまってはいる ◆
話は分かりやすく、綺麗にまとまってはいるけど、若干物足りなさも感じる。
ドラクエのRPGなら、もう1つか2つ、メインのシナリオがあってもいいんじゃないかなって思えるからかもしれないけど。
ただ、アクションに不慣れでも十分戦いやすい作りにはなってるので、アクションRPG初心者でも、割と何とかなると思われる。
欲を言えば、配信で追加されたキャラクターにも会話イベントは欲しかったかなーって気はしないでもない。