小説
あなたと月見酒
- 「嫌な事は全て押し付けられた」そう言ったあなただけに、私からの贈り物 -

クローディア(以下、ク)「魔界へ来た途端、どこへ連れていくかと思えば…フィーグか(--;)」
那由羅(以下、那)「いいじゃないの。こんなに綺麗な月夜で温泉なんて、そうそうないわよ♪」
ク「月など魔界でも飽きるほど見れる。何を今更…」
那「まぁ、主役はそこじゃないから。さぁ、とっとと入れー」

那「んー、いい湯ねぇ♪」
ク「…………………(--;)」
那「んなシケた顔しなくたって。(杯を渡して酒を注ぎつつ)ま、一杯どぞ」
ク「仕方のないやつだな(--;)…………………(杯を口にして)む」
那「どぉ?いける?」
ク「飲んだ事のない味だな。どこの酒だ?」
那「(酒瓶のラベルを見せる)えへへー♪」
ク「シュタインベルガー…?………!ガトの神酒か!」
那「当たりー(^^)」
ク「市場に出回るものではないだろう…一体どこで」
那「世の中に存在する以上、どこかの誰かさんが、どこからともなく売りつけてくるものよ」
ク「ニキータか(--;)…偽物ではないのか?」
那「そうねぇ…以前、ガトに行った時に私が試飲したものが偽物なら、偽物かもしれないわね♪」
ク「神酒を試飲などできるか。どうせ修道女の目を盗んで飲み散らかしたのだろう。不良楽師め」
那「認めたくないものよねぇ、若き日の過ちっていうのは…」
ク「たそがれた所で、事実は変わらんぞ」
那「ん?飲まないの?」
ク「……………………………………(杯を向けてくる)」
那「はいはい♪(酒を注ぐ)」

ク「温泉は熱いわ、外は寒いわ、全く散々だ」
那「うんうん」
ク「………………だが………まぁ………酒は、悪くなかった」
那「どういたしまして♪」
ク「………………ふん」
那「で、次どこ行く?お酒飲みに行くなら、やっぱロアなんだけど、ジオの酒も美味しいのよー♪」
ク「勝手に決めるな!ロアはアナグマ臭いし、ジオは学生が鬱陶しいから好かんっ」
那「じゃあ、ドミナ行く?ポルポタのシーサイドホテルのケーキもオススメ☆」
ク「………………………では、人混みに遭わず、魔物も少なく、ガトの寺院よりも標高が高く…」
那「うんうん」
ク「夜更けてなお美しい、竜の肉料理とワインが美味なところにしろ」
那「じゃ、煌めきの都市ね♪竜系の魔物も住み着いてるし、確か100年ものの古酒があったはず」
ク「あるのか…orz」